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公取委は米アップルや米グーグルのスマホOSについて「競争が十分に行われていない」と指摘した

公正取引委員会は9日、米アップルと米グーグルが提供するスマートフォンの基本ソフト(OS)に関する報告書をまとめた。アプリ提供事業者への高額な手数料や自社アプリの優遇は独占禁止法上、問題になる恐れがあると指摘した。アプリ決済の開放も求めた。欧州のように禁止事項をあらかじめ示す「事前規制」の導入を念頭に法整備の必要性にも触れた。

報告書作成にあたって実施した調査はアップルとグーグルから書面を通じて回答を得た。アプリを提供する事業者のほか消費者などにもアンケートを実施した。

主に3つの分野での問題点を挙げ、改善を促した。1つ目はOS市場だ。民間企業の調査によると携帯端末台数ベースのシェアはアップルの「iOS」が46.6%、グーグルの「アンドロイド」が53.4%を占める。2つ目は囲い込みなどにつながる「アップストア」といったアプリストアに関してだ。いずれも両社が市場を寡占する状況について「競争が十分に行われていない」との判断をまとめた。

3つ目はアプリ市場での自社優遇の防止を挙げた。アプリストアでは両社が提供するアプリと、他の事業者のアプリの両方を販売しており、同様に扱う対応が望ましいと強調した。両社は検索アルゴリズムやランキング表示などを操作して自社を有利にできる立場にあるためだ。

外部事業者のアプリからデータを吸い上げ、自社のサービス開発や製品改善に生かすことや、自社が提供するアプリが優先的に使われるような仕組みにも懸念を示した。仮にこうした行為に及んでいた場合、独禁法上の「私的独占」などにあたる恐れがあると言及した。両社はデータの不正利用などは否定している。

・報告書が示した主な対策
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アプリストアなどでは両社の決済システムしか利用できないケースが多い状況が問題視されてきた。報告書では「自社以外の課金システムと併用または選択可能にする」対応を求めた。

アップルとグーグルはアプリストアを使う事業者から15~30%の手数料を徴収している。事業者からは高止まりしているとの不満が根強い。

公取委は高額な手数料設定がコンテンツやサービス提供価格の高止まりにつながりかねないとみている。一方的に高額な手数料を設定して事業者が不利になることは、独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」などにあたる可能性があるとの見解を示した。

アップルは調査で「デベロッパーのアプリ開発促進のためには手数料モデルが最善と判断した」と回答した。グーグルは「手数料を支払っている事業者のほとんどは15%以下の手数料が適用されている」と強調した。


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2023年2月9日 15:00
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA08DK50Y3A200C2000000/