OMAR L. GALLAGAGEAR2023.02.03

https://media.wired.jp/photos/63be3836b6587f89d18f5994/16:9/w_1280,c_limit/Make-3D-TVs-A-Thing-Again-Gear-90247051.jpg
PHOTOGRAPH: MACIEJ TOPOROWICZ/GETTY IMAGES





かつて2010年代前半に注目されていた3Dテレビ。3Dメガネを使う視聴する体験のわずらわしさも相まってブームは終わったが、ある調査レポートによると市場拡大の可能性があるという。いったいどういうことなのか?
かつて3Dテレビは、3D映画の人気と「これからは3Dメディアの時代がやってくる」という期待もあって大々的に宣伝されていた。当時は2010年を「3Dテレビの年」と謳っていた記事がいくつもあったほどである。

この状態は約4年にわたって続いた。ところが、15年には3Dテレビのブームが下火になり、17年には最後まで3Dテレビをつくり続けていたLGとソニーが生産を中止した。

その時点で3Dテレビは、マイクロソフトの携帯音楽プレーヤー「Zune」や、ビデオテープの規格「ベータマックス」と同義になった。つまり、アイデアとしては悪くないが、世論という法廷で却下され、失敗と揶揄される運命にあるものである。

3Dテレビの何が悪かったのだろうか。当時の消費者は依然として、4Kの解像度でより大型のテレビへと向かっていた。3Dコンテンツを表示する機能が追加されることでテレビの価格が上がり、3Dコンテンツを表示できる家庭用ゲーム機やブルーレイプレーヤーが必要になった。ちょうどそのとき、物理メディアがストリーミングに押されるかたちで衰退し始めたのだ。

それに3Dメガネという問題もあった。パッシブ方式かアクティブシャッター方式かにかかわらず(後者は充電が必要になる)、自宅で3Dテレビを観るには3Dメガネをかけなければならなかった。
その置き場所を常に把握しておく必要もあったし、3Dメガネは汚れるうえ、すぐどこかへ行ってしまう。IMAXシアターのように、使おうとしたときに密封されたビニール袋に入って手元に届くわけでもないし、買い替えようと思うと相当な出費になった。

確かに失敗してもおかしくはない。だが、もしまずかったのがタイミングだけだったとしたらどうだろうか?






調査レポートから見えた興味深い展望
https://wired.jp/article/make-3d-tvs-a-thing-again/