20日の外国為替市場で円は対ドルで下落し、一時1ドル=150円台前半を付けた。150円台は1990年8月以来、32年ぶりとなる。日米金利差が広がるなか、低金利の円を売って高金利のドルを買う動きに歯止めが掛からなくなっている。止まらない円安に対して、政府・日銀が大規模な円買い介入に踏み切るかが焦点だ。

円相場は9月1日に24年ぶりに1ドル=140円台まで下落した。そこから2カ月弱でさらに10円も円安・ドル高が進み、150円の大台に到達した。昨年末からの下落幅は30円を大きく上回り、底の見えにくい展開となっている。

米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑えるため、当面は大規模な利上げを続けるとの見方が強まっている。日銀の黒田東彦総裁は円安への警戒感を示しているものの、金融緩和を維持する構えを崩していない。バイデン米大統領がドル高を容認する姿勢を示し、国際的なドル高是正の機運が遠のいていることも円売り・ドル買いを勢いづけている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB180GC0Y2A011C2000000/