日銀の黒田東彦総裁は9日、岸田文雄首相を首相官邸に訪ね、円安が進む外国為替市場の動向や国内外の経済情勢などについて意見交換した。

黒田総裁は会談後、記者団に対し「急激な為替の変動は企業経営を不安定にし、将来の不確実性を高めるので好ましくない」と述べ、円安の急速な進行に懸念を示した。

 黒田総裁は、最近の円安に関し「1日に2円も3円も動くのは急激だ」と指摘し、為替相場は経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映し、安定的に推移するのが望ましいとの考えを示した。為替動向を「今後とも注視していく」と語った。首相から日銀に対し、特に指示や要望はなかったという。

 東京外国為替市場では、黒田総裁の円安けん制発言が伝わると、円相場が一時、対ドルで1ドル=143円台前半へ50銭近く上昇した。 
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