東京都世田谷区は10日、自主検査の結果をもとに医師がオンラインで新型コロナウイルス感染の陽性を判定する事業を始める。発熱や喉の痛みはあるものの発熱外来をすぐに受診できない区民が対象で、1日当たり最大330人を診療する。オンラインで集中的に診療することで、地域の発熱外来の負担軽減を図る。

区の発熱相談センターが重症化リスクを判断し、オンライン診療可能とした人に専用サイトを案内する。陽性を示す抗原検査の画像や自身の症状などを入力すると、あらかじめ予約した日時に医師の診察を受けられる。

医師は保健所に発生届を提出するほか、必要に応じて解熱剤などの薬も処方する。抗原検査キットや薬はバイク便で自宅に届ける。

オンライン診療は区内の1カ所の医療機関が集中して対応する。診療時間は土日祝日を除く午前10時から午後6時まで。10月までの運営を予定している。

8日にオンラインで記者会見した保坂展人区長は「臨時の診療体制をネット上につくることで、地域の医療機関に殺到している検査希望者を分散する効果が期待できる」と話した。
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