30日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比411円56銭(1.54%)安の2万6393円04銭で終えた。インフレの抑制を重視する米国の積極的な金融引き締めが世界景気減速の懸念につながり、日中を通して軟調に推移した。半導体関連の売りが目立ち、指数を押し下げた。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が29日に欧州中央銀行(ECB)主催のシンポジウムで、より大きなリスクは「物価安定の回復に失敗することだ」と述べた。大幅な利上げなどが世界景気の減速を招くとの警戒感が広がった。前日の米株式市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%超下落しており、東京市場でも東エレクやアドテストなどの半導体関連銘柄が軒並み売られた。

国内の生産指標も指数下押しの要因になった。取引時間前に経済産業省が発表した5月の鉱工業生産指数(季節調整済み)の速報値は前月比7.2%低下した。QUICKがまとめた民間予想の中央値(0.3%低下)を大幅に下回った。自動車工業や電気・情報通信機械工業などの下落が目立った。

トヨタの5月の世界生産台数が2カ月連続で前年同月を下回るなど、「自動車は生産回復のシナリオが見えなくなり、買い材料を失った印象」(東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト)との見方があった。トヨタやホンダなど自動車株は総じて売られた。

日経平均は月間では886円(3.25%)下落した。月間での下落は2カ月ぶり。

東証株価指数(TOPIX)は続落した。終値は前日比22.75ポイント(1.20%)安の1870.82だった。

東証プライムの売買代金は概算で3兆2144億円。売買高は13億6402万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1314と、全体の約7割を占めた。値上がりは472、変わらずは52銘柄だった。

ネクソンやいすゞ、IHIの下落が目立った。ニコンやソニーGも売られた。半面、大成建や鹿島、東レが上昇。シャープや東ガスも買われた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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2022年6月30日 15:44
日本経済新聞
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