【シリコンバレー=奥平和行】米グーグルのエリック・シュミット元最高経営責任者(CEO)が1億2500万ドル(約140億円)を投じて、人工知能(AI)の研究者を支援する。同氏が設立した慈善団体が16日に発表した。AIの社会に対する正負の影響が大きくなると見込まれており、課題の解決につなげたい考えだ。

シュミット氏とウェンディ夫人が設立した慈善団体、シュミット・フューチャーズが発表した。支援プログラム「AI2050」を立ち上げ、今後5年で米国内外の研究者の支援に1億2500万ドルを投じる。グーグルで「技術と社会」を担当するジェームズ・マニイカ上級副社長も運営に携わる。

シュミット氏はグーグルでCEOや会長を歴任し、2018年から21年にかけて米AI国家安全保障委員会の委員長を務めた。支援プログラムは「AIにまつわる主要な機会と難しい問題に取り組む研究者を支援する」と説明し、16日の声明で「AIの進展に伴う意図せざる結果に備える必要がある」と指摘した。
2022年2月17日 7:43
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170G40X10C22A2000000/