[モスクワ/オスロ 10日 ロイター] - ロシアは10日、ポーランド、ベラルーシ、ウクライナ経由の欧州向け天然ガス輸送を拡大した。これを受け、冬場を控えて高まっていた供給不足に対する懸念が一部後退し、天然ガスの卸売価格が下落した。

欧州では先週、ロシア産の天然ガスをポーランド経由で欧州に運ぶパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」でドイツ方面へのガス輸送が停滞。ドイツからポーランド方面への輸送に切り替えられたことを受けて需給関係が悪化し、価格が上昇していた。

ロシアのプーチン大統領はその後、国内の貯蔵タンクに天然ガスが補給されれば欧州への供給を増やすよう指示。ドイツ方面へのガス輸送は8日遅くに再開した。

ロシアの国営ガス会社ガスプロムは9日、欧州のガス貯蔵施設への補給を再開したと発表。これを受けて、欧州の天然ガスのスポット価格は下落した。

ただアナリストは、ガス価格を大幅に下げるには、ロシアが欧州の懸念をさらに払拭する必要があると指摘している。

2021年11月11日1:27 午後
ロイター
https://jp.reuters.com/article/power-prices-russia-gas-idJPKBN2HW0C8?il=0