【グラスゴー(英北部)=佐竹実】英政府は、環境向けの国際融資を10億ポンド(約1550億円)増額する。ジョンソン首相が1日から各国首脳らと開く第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の「リーダーズサミット」で表明する。

英政府が31日に発表した。これまで、気候変動に関する国際的な融資は2025年までに116億ポンドとしていたが、経済が予想通り回復することを前提に126億ポンドに増額する。COP26議長国として率先して融資額を上積みし、世界全体の排出量の6割を占める途上国での排出削減を支援する。

リーダーズサミットにはバイデン米大統領ら各国首脳が参加する。産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えることを目指す「パリ協定」達成のために、各国にさらなる対応を求める。

ジョンソン首相は1日、「もし今真剣に取り組まなければ、我々の子どもが取り組むころには手遅れになってしまう。石炭、自動車、資金、森林保護について、議論の段階から現実的な行動に移さなければならない」と呼びかける予定だ。

英国は当初予定を10年前倒しにし、30年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する。30年までに900億ポンドの民間投資を呼び込んで電気自動車(EV)向け充電設備などを拡充し、50年までの温暖化ガス排出実質ゼロを目指している。
2021年11月1日 8:17
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR010E30R01C21A1000000/