(画像が表示されない場合は元ソースからご覧ください)
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO1197479026102021000000-1.jpg?ixlib=js-2.3.2&;w=435&h=290&auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&q=45&fit=crop&bg=FFFFFF&s=0aadc3ad0f719c0d243133a8740b64af
公聴会での証言を終えて議会を出るフランシス・ホーゲン氏(25日、英ロンドン)=AP

【シリコンバレー=奥平和行】米フェイスブックの経営への重圧が増している。米アップルがプライバシー保護を強化したことに伴い主力の広告事業の成長が鈍化し、元社員の内部告発に端を発する企業体質への批判は米国外に広がり始めた。SNS(交流サイト)をめぐる国内外の企業との競争が激しくなるなか、成長シナリオに黄信号がともりかねない情勢だ。

「数ある逆風の中でも影響が最大だったのはアップルが提供を始めたiOS14だ」。フェイスブックが2021年7〜9月期の決算を発表した25日、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)はこう説明した。同四半期の売上高は前年同期比35%増の290億1000万ドル(約3兆3000億円)となり、市場予想の295億7000万ドルを下回った。
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO1197570026102021000000-3.jpg?ixlib=js-2.3.2&;w=340&h=394&auto=format%2Ccompress&ch=Width%2CDPR&q=45&fit=crop&bg=FFFFFF&s=3909c405d3f245dd4f3eb1e7f8a05ecb
サプライチェーン(供給網)の混乱が広告市場に影を落とし、アップルがiPhoneなどの基本ソフト(OS)を刷新した影響も広がった。端末ごとに割り振った識別情報の利用を事前承認制に変え、広告会社などの使用を制限。アプリを横断した利用者の行動履歴の捕捉が困難になり、フェイスブックも個人の嗜好に合わせた広告配信が難しくなった。

同社は個人が分からないように匿名化した情報を使うなどして広告配信の精度を維持する取り組みを進め「やがて逆風の影響を軽減できるようになる」(マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者=CEO)という。他社よりは影響が軽微との指摘はあるものの、年末商戦で広告への需要が膨らむ10〜12月期も収益の重荷になるという。

元社員であるフランシス・ホーゲン氏の内部告発の余波も広がっている。25日には米国に続いて英国の議会の公聴会にも出席して証言し、フェイスブックが攻撃的な書き込みなどの制限を怠り「ヘイト(憎悪)を助長している」と非難した。11月にはポルトガルで開くテクノロジー関連の会議にも参加する予定だ。

>>2 へ続く

2021年10月26日 17:48
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN264RO0W1A021C2000000/