1日の東京株式市場で日経平均株価は5日続落し、前日比681円59銭(2.31%)安の2万8771円07銭で終えた。9月2日以来、約1カ月ぶりの安値となった。前日の米株相場の下落を受けて、東京市場でも幅広い銘柄に売りが出た。中国や米国の景気減速への警戒が改めて意識されるなかで、短期筋による株価指数先物への売りが膨らみ指数を下押しした。

前日の米株式市場で主要3指数がそろって下げたことを受け、東京市場でも朝方から売りが優勢だった。米国では12月までのつなぎ予算案が9月30日に議会上下院で可決したものの、連邦政府の債務上限問題は解決していない。量的金融緩和の縮小(テーパリング)の開始が間近に迫り、持続的なインフレ圧力が景気減速のリスクにつながるとの見方が強まるなかで、運用リスクを回避したい投資家は日本株にも売りを出した。

日経平均は約1カ月ぶり安値となり、菅義偉首相が退任を表明した9月3日以前の水準に下がった。市場では「10月4日に予定される次期政権の閣僚や今後の政策を見極めたいとのムードもあり、足元では買いを入れにくい」(国内運用会社)との見方があった。

取引開始前には日銀が9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表した。大企業の業況判断指数(DI)は製造業、非製造業ともに市場予想を上回る内容だった。ただ、先行きへの警戒を示すような内容もあり、取引の材料とする向きは限られた。

東証株価指数(TOPIX)は5日続落し、前日比43.85ポイント(2.16%)安の1986.31で終えた。心理的な節目の2000を下回り、約1カ月ぶりの安値となった。JPX日経インデックス400もは5日続落した。

東証1部の売買代金は概算で3兆5442億円。売買高は13億8443万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1981と、全体の約9割を占めた。値上がりは173、変わらずは20だった。

きょうから日経平均株価に採用された任天堂は大幅安。村田製やキーエンスも下落した。コナミHDや住友化、SUMCOの下げも目立った。一方、楽天グループや日電硝、NTTは上昇した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2021年10月1日 15:40
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZASS0ISS16_R01C21A0000000/