アメリカのIT大手アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏がCEOを退任しました。
巨大IT企業に対する風当たりが強まる中での退任となり、新体制の経営手腕が問われることになります。

1994年の創業以来アマゾンを率いてきたジェフ・ベゾス氏は、創業の日にあたる5日、CEOを退任し、後任にクラウド事業のCEOを務めてきたアンディー・ジャシー氏が就任しました。

ベゾス氏はインターネット通販や動画配信、それにクラウド事業など幅広い分野にビジネスを広げ、アマゾンを時価総額で190兆円規模の巨大な企業グループに成長させました。

今後も取締役会長として経営に携わるものの、自身が設立した宇宙開発ベンチャーの事業などに注力するとみられ、今月20日には、みずから宇宙飛行に臨む予定です。

一方、GAFAとも呼ばれる巨大IT企業に対しては、独占的な地位を利用し競争を妨げているという批判が強まっていて、アマゾンもことし5月、首都ワシントンの司法長官から日本の独占禁止法にあたる反トラスト法に違反したとして提訴されています。

巨大IT企業への風当たりが強まる中での創業者の退任となるだけに、新体制の経営手腕が問われることになります。

後任のアンディー・ジャシー氏とは
ベゾス氏の後任、アンディー・ジャシー氏は53歳。

ハーバード大学のビジネススクールを出たあと、アマゾンが株式を上場した1997年に入社しました。

顧客の企業が業務の効率化に活用できるクラウドの事業を立ち上げ、2016年にはクラウド事業のCEOに就任しました。

AWS=アマゾンウェブサービスと呼ばれるクラウド事業は急成長し、会社の営業利益のおよそ6割を占めるまでになっています。

アメリカメディアによりますと、ジャシー氏は一時期、ベゾス氏が出席するすべての会議や出張に同行していて、ベゾス氏にとっての「影のアドバイザー」として社内でも知られた人物だということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210706/k10013121471000.html