バイオベンチャー企業のユーグレナ(東京)は今月、藻類のミドリムシ由来のバイオ燃料を使った飛行機のフライトを実現させた。地球温暖化を招く二酸化炭素(CO2)の排出を減らす燃料として、車や船に供給してきたが飛行機は初めて。呉市出身の出雲充社長は「10年以上の取り組みがフライトという一つの形となり、感無量」と喜びをかみしめた。

 飛行機のバイオ燃料は、ミドリムシの油脂や使用済みの食用油で作られ国際規格に適合している。ミドリムシは光合成でCO2を吸収するため、燃やしてCO2が出ても差し引きゼロと見なされる。今回は石油系の燃料に5%混ぜて使った。

 今回飛んだのは、空港の通信施設の機能を確認する国土交通省の検査機。東京の羽田空港を4日午後2時20分ごろ出発し、愛知県の中部国際空港に同5時ごろ着いた。バイオ燃料の使用はユーグレナが提案した。

 飛行機は電車など他の交通手段よりCO2排出量が多く、飛行機での移動を非難する「飛び恥」という言葉も生まれている。大きなパワーが必要で電動化のハードルは高い。ユーグレナは2010年から飛行機のバイオ燃料を研究し、今年3月に完成させた。

 「皆さまに乗っていただけるよう努力を続ける」と出雲社長。旅客機への供給に向け航空会社と調整を進める。25年の量産化を計画している。
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