東京証券取引所は巨額の損失を計上して債務超過に陥り、東証2部に降格していた大手電機メーカーの「東芝」について経営が改善していると判断し、東証1部への復帰を認めると正式に発表しました。東芝としては、ほぼ3年半ぶりの1部復帰で信用力を高め、経営再建を一段と推し進めたい考えです。

東芝は、2017年にアメリカの原子力事業で巨額の損失を計上して債務超過に陥った結果、東証1部から中堅企業が多く上場する2部に降格しました。

その後、会社は資本増強などによって債務超過を解消したほか、主力だった半導体子会社も売却するなどして経営再建を進め、去年4月、東証に対し1部への復帰を申請していました。

東証は経営再建の進捗に加え、東芝の子会社で架空取り引きが行われていた問題も踏まえ、慎重に審査を続けてきましたが、経営が改善していると判断し、22日東芝の1部復帰を認めると正式に発表しました。

1部復帰は、今月29日の予定です。

東芝としては、ほぼ3年半ぶりの1部復帰で信用力を高め、経営再建を一段と推し進めたい考えです。

ただ、ことし3月期の決算は売り上げ、営業利益ともに減ることが予想されていて、収益の柱をどのように確立し、将来の成長につなげていくかが課題になります。

東芝 「不断の努力で信頼に応えたい」
東証1部への復帰が認められたことについて、東芝は「財務体質や事業体質の安定化と強化、ガバナンスの強化に向けて、さまざまな取り組みを進めてきた。コンプライアンスと内部管理体制の強化には、終わりのない持続的な取り組みと、役職員が高いコンプライアンス意識を持ち続けることが必要で、不断の努力により継続的な改善を図り、信頼に応えていきたい」というコメントを出しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210122/k10012828011000.html