コロナ禍でテレワークの導入が広がる中、若手社員が他の世代と比べて、強くストレスを感じていることが、メンタルヘルスケアなどを手掛ける企業の調査で分かった。

調査を行ったのは、アドバンテッジリスクマネジメント。

「2020年5月〜6月」と「2019年5月〜6月」に47の企業・団体を対象に、ストレスチェックを実施。

2回のストレスチェックに関して、どちらも回答した9万6386名を分析。
ストレスチェックの内容から、回答者のストレス反応などの偏差値を算出し、一定基準に当てはまる回答者を“高ストレス者”とした。

また、ストレス関連因子として31項目を定め、「25歳以下」「26〜30歳」「31〜40歳」「41〜50歳」「51歳以上」という年齢層に区分けして、順位付けも行った。

その結果、「25歳以下」の“高ストレス者”の割合は、2019年は3.9%だったのが2020年は5%になり、1.1ポイント増加した。

これに対し、
「26〜30歳」は前年比で0.4ポイントの減少(2019年:6.1%⇒2020年:5.7%)
「31〜40歳」は0.7ポイントの減少(2019年:7.1%⇒2020年:6.4%)
「41〜50歳」は0.7ポイントの減少(2019年:6.1%⇒2020年:5.4%)
「51歳以上」が0.6ポイントの減少(2019年:4.5%⇒2020年:3.9%)
と、軒並みストレスが減っている。

25歳以下の若手社員だけがなぜ、“高ストレス者”の割合が増加したのか?
また、25歳以下の若手社員のストレスを緩和するためにはどうすればよいのか?

アドバンテッジリスクマネジメントの担当者に聞いた。

ストレス増加には3つの要因が考えられる
――若手社員のストレスが増加。この要因としてはどのようなことが考えられる?

要因としては以下の3つが考えられます。

「成長イメージが描きづらく、キャリア形成への不安が強い」
「自分の役割や周囲からの期待値が良く分からない」
「ナナメ・ヨコの接点やサポートの希薄化」

――「成長イメージが描きづらくキャリア形成への不安が強い」。これはどういうこと?

コロナ禍においてはBCP対策(=緊急事態においても事業を継続するための事前計画)を最優先することが余儀なくされ、人材育成までリソース(=予算・時間)を割けない企業が多かったと思われます。

事業活動の自粛、それによる業績への影響が大きかった企業においては、会社の将来に対して、一抹の不安を覚えた若手も多かったと考えられます。

若手にとってはロールモデルの存在(=先輩が活躍する姿を見て3年後・5年後自分もああなりたいと思うこと)は非常に重要ですが、リモートワークの環境下では物理的にロールモデルが見えなくなります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/60025c84c92ce27744224c74ea458fa769682185