電子楽器大手のローランド(浜松市北区、三木純一社長)は11日、東京証券取引所への新規上場が承認されたと発表した。上場予定日は12月16日で、1部か2部かは現時点で未定。経営悪化に伴う自社買収(MBO)などで2014年に上場を廃止して以来、不採算部門の整理や新製品開発の加速などで企業価値を高め、再上場の準備を進めてきた。

 コロナ禍の巣ごもり需要で電子ピアノ・ドラムなどの販売が伸びて好業績の中、調達した資金を新規事業などに積極投資する。知名度の向上で優秀な人材の確保にもつなげる。

 大株主の米国投資会社「タイヨウ・パシフィック・パートナーズ」などが保有株を売り出す。1171万株を売り出し、うち国内分は556万2300株を予定する。

 ローランドの設立は1972年。2008年のリーマン・ショック後の売り上げ低迷などで経営が悪化し、4期連続で赤字を計上した。米系ファンドと組んだMBOなどの立て直し手法に創業者が反発する中で1部上場を廃止。その後、構造改革や事業の選択と集中、国内外の生産態勢強化などを進めた。
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