https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/02772/?P=2

そうはいっても、太陽光と蓄電池の組み合わせはコスト面で既存電源に見劣りするのではありませんか。

伊藤氏 そんなことはありません。FIT無しで十分に戦えるところまでコストは下がっています。太陽光発電システムは相当安くなりました。そして、蓄電池も急速にコストが低下しています。

 当社の試算では、2年後の産業用太陽光発電のシステム価格は10万円/kW、蓄電池は5000サイクルで6万円/kWh(システム費用はネクストエナジーの高圧屋根上案件の施工実績で試算、
初年度年間発電量1200kWh、20年のLCOEなどの条件を設定)。太陽光の余剰電力を蓄電池に充電して夜間などに使用すれば、システム全体の総発電コストは12円/kWhになります。
TPOモデルによる自家消費は託送料金は不要ですから、需要家から見た12円が発電原価です。

他方、東京電力エリアの2018年度のエリアプライスの平均は10.68円で、託送料金4.07円を足すと14.75円/kWh。発電原価で比べれば、2年後にはTPOモデルの方が系統電源より安価になる計算です。

さらに5年後の試算もご紹介します。太陽光は8万円/kW、蓄電池は4万円/kWhまで下がるとみています。そうなると総発電コストは9円/kWhになります。この発電原価なら、十分に既存の火力電源と戦えます。

試算に使った蓄電池コストは、グローバルでは“当たり前”に捉えられている現実的な金額です。この先、蓄電池はまだまだ安くなりますよ。

蓄電池などのコストが下がり切っていない現時点で事業化するには、TPOモデルが適しています。TPOモデルに特化したシステムを作り、
ユーティリティ企業が大量導入すれば、流通コストやメンテナンスコストなど、様々な費用を圧縮することが可能だからです。