経営破綻した自動車部品大手タカタの事業を継承した「ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン」(JSSJ、東京都品川区)が、シートベルトのデータを安全基準に適合するよう改ざんした疑いがあることが、国土交通省への取材でわかった。すでに自動車メーカーに大量供給されており、大規模なリコール(回収・無償修理)に発展する可能性がある。

 国交省によると、滋賀県彦根市にある同社工場で製造された製品の一部。道路運送車両法で定める強度などに達していないのに、適合するようデータを書き換えていたとみられる。

 JSSJは今春、内部通報で把握。経緯や安全性、供給台数などを調査し、年内にも国交省に報告する。シートベルト製造では国内首位という。

 国交省は自動車メーカーに対し、リコールへ向けた準備を始めるよう伝えた。現時点で事故の報告はない。

 タカタは主力製品だったエアバッグの欠陥問題で2017年に経営破綻し、18年、中国企業傘下にあるJSSJの親会社が、エアバッグ以外の事業を買収していた。

 JSSJは14日、同社のホームページで社内調査を実施していることを明らかにし、「原因を究明するとともに適切な対応策を実施する」とした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1cf497436170097e8c933a2a2b71de0707299d12