ソフトバンクグループは18日、100%子会社で携帯端末販売の米ブライトスターの全株式を売却すると発表した。米投資ファンドの新設する企業に全株式を売却して、対価として現金と新会社の株式を受け取る方式をとる。取引の完了は2021年3月期中の予定。ソフトバンクGは投資事業を中核としてグループ再編を進めている。

ソフトバンクGは2014年1月にブライトスターを買収。当時は米スプリント(現TモバイルUS)やソフトバンクなど通信事業を展開する子会社の競争力強化を目的としていた。ソフトバンクGの本業が通信事業から投資事業へと転換する中で、ブライトスターを売却することとなった。

ブライトスターの元経営幹部などが立ち上げた投資ファンド、ブライトスター・キャピタルが新設会社を通じて買収する。買収金額は非開示としているが、ソフトバンクGは売却の対価として現金と新会社の株式25%を受け取る予定。うち現金収入については「手数料等を除けば金額は軽微にとどまる」(同社)という。

ソフトバンクGはブライトスターに対し累計で17億2700万ドル(約1800億円)を投資してきた。これとは別に同社はブライトスターに対して7億ドル弱を貸し付けていたが、取引成立に伴い全額が返済される予定だ。今後はブライトスターを買収した新会社の株式を純投資として保有する予定で、引き続き投資回収を進める。

ソフトバンクGは3月に株主還元と負債削減のための4.5兆円規模の資産売却・資金化を発表。この一環としてTモバイルやソフトバンクの株式を一部売却していた。

これとは別枠で14日には英半導体設計、アームの売却を決定。今回のブライトスターの売却により、さらに保有資産の売却が進む。主要な事業子会社はソフトバンクのみとなり、投資会社としての性格がより強まる。
2020/9/18 12:34
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64008930Y0A910C2EAF000/