米アップル主導の中小型液晶パネル工場再編が決着した。主力のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」基幹部品の安定調達とともに、経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)支援の側面がある。
ライバルのシャープが火中の栗を拾った。ただ、有機ELの台頭で液晶市場の将来も安泰ではない。年間2億台近い巨大需要に翻弄(ほんろう)されてきたパネルサプライヤーにとって、運命の分かれ道だ。

アップル主導 シャープ巻き込む LG撤退で拍車

「ターンアラウンド(事業再生)元年の重要なマイルストーンの一つをようやく最終決着できた」とJDIの菊岡稔社長は安堵(あんど)する。
同社は中小型液晶パネルの白山工場(石川県白山市)をシャープとアップルに計約713億円で売却する。9―10月の物件引き渡しを予定。「3者間の交渉でもあり、想定よりも時間を要した」と気をもんだのは主導権がJDI以外にあったからだ。

アップルが白山工場の売買について異例の直接介入に乗り出した背景には、2019年頃から表面化した韓国LGディスプレイの中小型液晶パネル生産撤退の動きが大きい。
「LGはJDI以上の経営危機で、液晶をやめて有機ELに特化する戦略」(業界関係者)で、JDI、シャープと並ぶアイフォーン向け主要サプライヤーの撤退は基幹部品不足への懸念を深めた。

一方、JDIは16年末に稼働した白山工場を持て余して…

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