DICは11日、2020年12月期の(今期)の連結純利益が前期比36%減の150億円になりそうだと発表した。従来予想(同横ばいの235億円)から85億円下方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が停滞した影響で出版用インキ、化粧品用顔料、自動車向け材料など幅広い分野で出荷数量が減少している。需要回復に時間がかかるとみて通期業績予想を引き下げた。

売上高は9%減の7000億円と従来予想(5%増の8100億円)から1100億円、営業利益は15%減の350億円と従来予想(9%増の450億円)から100億円、それぞれ引き下げた。増収、営業増益から一転して減収減益となる見込み。中間配当は前年同期比10円減の50円(従来予想は55円)に、年間配当予想は前期と同じ100円(同110円)に引き下げた。

同日発表した20年1〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比21%減の103億円だった。インキや顔料の出荷減少に加え、化学世界最大手である独BASFの顔料事業買収に伴う一時費用が重荷になった。売上高は11%減の3437億円だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/8/11 13:04
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11HNM_R10C20A8000000/