【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトが22日に発表した2020年4〜6月期決算は売上高が前年同期比13%増の380億3300万ドル(約4兆780億円)だった。在宅勤務に伴うクラウドサービスの利用拡大で四半期ベースで最高を更新した。一方で純利益は15%減の112億200万ドル。直営店の撤退費用を計上し、10四半期ぶりの減益となった。

14四半期連続で2ケタの売り上げ成長を維持した。インターネットで演算能力を提供する「Azure(アジュール)」や協業アプリ「Teams(チームズ)」といったクラウド関連事業の売上高が30%増の143億ドルとなり、全体をけん引した。

自宅で過ごす人が多かったため、パソコン「サーフェス」の販売は28%伸び、ゲーム事業の売り上げも6割超増えた。広告が低調だった子会社リンクトインの伸び率は10%にとどまった。

一方で、純利益は17年10〜12月期以来の減少に転じた。コロナ禍で世界に83あった直営店すべてを閉じると決め、4〜6月期に約4億5千万ドルの撤退費用を計上したためだ。

4〜6月期はマイクロソフトにとって第4四半期にあたり、20年6月期通期の売上高は前の期比14%増の1430億1500万ドル、純利益は同13%増の442億8100万ドルだった。クラウド関連事業の売上高が通期で初めて500億ドルを超えたという。

サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は「(顧客の)組織変革を支える、統合した技術を提供できる唯一の企業だ」と強調した。一方で22日朝には、競合サービスを手掛ける米スラック・テクノロジーズが「マイクロソフトは競争法に違反している」として欧州当局に苦情を申し立てている。
2020/7/23 6:23
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61884700T20C20A7000000/