【ニューヨーク=共同】米グーグルが「シークレット(秘密)モード」に設定したブラウザー「クローム」で利用者のインターネットの閲覧情報を収集し、プライバシーを侵害しているとして、利用者は3日までに、グーグルに損害賠償を求める集団訴訟を米カリフォルニア州の裁判所に起こした。

提訴は2日付。ロイター通信によると、原告が求める賠償額は少なくとも計50億ドル(約5400億円)。

秘密モードは閲覧履歴などがブラウザや端末に保存されないようにする設定で、グーグルがプライバシー保護策として導入した。

原告側は、利用者が秘密モードに設定していても、グーグルはサイトの運営業者に提供している分析ツールなどを介して、利用者の友人や趣味、買い物、恥ずかしいものについて知ることができると指摘し、「意図的に消費者を欺いている」と主張している。

グーグルの担当者は声明で「原告の主張に強く異議を唱えるつもりだ。利用者が秘密モードのタブを新しく開くたびに、訪問先サイトが情報収集する可能性があると明記している」と説明した。 サイトで収集した情報をグーグルと共有するかどうかは、運営業者が選択する。分析ツールを介して、メールアドレスなどの個人情報を渡すのは禁止しているという。
2020/6/4 6:25
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59955580U0A600C2000000/