巨大IT(情報技術)企業に取引の透明化を求める「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が27日、参院本会議で可決、成立した。通販サイトなどに出店する企業と結ぶ契約条件の開示を促し、取り組み状況を国に報告することを義務付ける。次世代通信規格「5G」整備に向けた新法も同日、成立した。

通販サイトやアプリストアを運営する企業を規制する。対象企業の要件などは秋までに詰め、2021年春の施行をめざす。巨大ITには世界中の利用者から膨大なデータが集まり、寡占が生じやすい。巨大ITを規制する初の法律で情報開示を促し、透明性の高い取引環境を整える。

出店手数料の決め方や返品の扱いなどを定めた規約を変更する場合は事前の通知をするなど、取引の透明化を求める。取り組み状況は毎年度、経済産業相への報告を義務付ける。経産省は取引先の中小企業や利用者など幅広い意見を聞きながら評価する。

5G整備に向けた新法では、情報漏洩の防止など一定の要件を満たす企業を対象に、5G基地局への投資額を法人税から税額控除することなどを定める。ドローン(小型無人機)の開発も支援する。ハイテク分野で中国企業の存在感が高まるなか、安全保障上の懸念が生じないよう国内製品の採用を促す狙いがある。

2020/5/27 10:00 (2020/5/27 12:33更新)
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59619520X20C20A5MM0000/