14日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落し、前日比352円27銭(1.74%)安の1万9914円78銭で終えた。節目の2万円を下回るのは7日以来、1週間ぶり。米景気の先行き不透明感から前日の米株式相場が大幅に下げ、リスク回避目的の売りが出た。発表が本格化する2020年3月期決算で低調な内容だった銘柄が売られ重荷となった。米株価指数先物が時間外取引で一段安となり、日経平均も下げ幅を拡大した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が13日の講演で新型コロナウイルスによる米景気の下振れリスクを強調した。同日の米ダウ工業株30種平均が500ドルを超えて下落し、東京市場では海外投資家を中心に売りが優勢となった。20年3月期の連結決算が減益だったソニーが下げるなど、企業業績が低調との見方から売りを促した面もあった。

日経平均は午後に下げ幅を広げた。日本時間14日のシカゴ市場で米株価指数先物が売られた。アジアの株式相場も弱含んでおり投資家が買いに慎重になった。日銀が上場投資信託(ETF)買い入れを実施するとの観測があったが、短期筋の売りが優勢だった。

決算発表が相次ぐなか、今期が増益になる見通しを示した武田は大幅高だった。業績が相対的に良好と評価された銘柄に短期筋の資金が向かった。

JPX日経インデックス400は3日続落。終値は前日比238.78ポイント(1.81%)安の1万2984.76だった。東証株価指数(TOPIX)は3日続落し、28.14ポイント(1.91%)安の1446.55で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆1578億円。売買高は13億2977万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1952と全体の90%を占めた。値上がりは190、変わらずは29だった。

ソニーやソフトバンクグループ、トヨタが下落した。東エレクや三菱UFJ、楽天が売られた。ファナックやリクルートも安い。半面、武田や第一三共、資生堂が上昇した。三越伊勢丹、エーザイが上げた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/5/14 15:19
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_U0A510C2000000/