川崎重工業は12日、2020年3月期の期末配当を無配(前年同期は35円)にすると発表した。従来予想は35円だった。期末の無配は02年3月期以来18年ぶり。年間では前の期比35円減の35円となる。民間航空機事業にかかる売上債権の回収が滞ったことなどで資金繰りが悪化した。新型コロナウイルスによる事業環境の悪化に備え、運転資金確保を優先する。

同日発表した連結決算は純利益が前の期に比べ32%減の186億円だった。21年3月期の業績悪化を見越し繰り延べ税金資産を取り崩したため、従来の会社予想(250億円)を下回った。売上高は3%増の1兆6413億円と2期連続で最高となった。中国を中心に建設機械向け油圧機器の販売減やロボットの生産減で営業利益は3%減の620億だった。

21年3月期予想は新型コロナの影響が見通せないため未定とした。同日電話会見をした金花芳則社長は「(今期は)全社で赤字になる可能性もある」と話した。

2020/5/12 17:00
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58988220S0A510C2DTA000/