【ニューヨーク=中山修志】米ボーイングは30日、新たに総額250億ドル(約2兆6000億円)の社債を発行すると発表した。新型コロナウイルスの影響で経営環境が急速に悪化するなか、同社の資金繰りが焦点になっていた。債券市場から巨額の資金を調達し、米政府が用意した融資枠の活用は見送る。2020年に入ってからの社債発行額としては最大となる。

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ボーイングによると、社債は償還期限3年から40年まで7種類ある。同日の声明で「投資家からの引き合いは強く、当社の長期的な強さが認められている」とコメントした。「資本市場や米政府から追加資金を調達する予定はない」と明記した。

ボーイングは借入金の返済や運航が停止している小型機「737MAX」の再開の対応などで、20年末までに総額200億ドル規模の資金が必要になる見通し。3月末時点の手元資金は155億ドルにとどまり、追加の資金調達を検討していた。

同社は3月に米政府に航空機産業への600億ドルの資金支援を要請し、米政府は新型コロナの経済対策でボーイング救済を想定した170億ドルの融資枠を用意した。だが、同社は条件となる政府出資に難色を示していた。

米連邦準備理事会(FRB)が最大7500億ドルの社債買い入れなどを決めたことが追い風になった。債券市場からの調達で当面の資金繰りにめどがつくが、航空機需要がしぼむ中で巨額の債務が重荷になるおそれがある。

2020/5/1 10:50
日本経済新聞
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