日本百貨店協会が24日発表した3月の全国百貨店売上高は3403億円(全店ベース)だった。既存店ベースでは6カ月連続で前年実績を下回り、下落率は33.4%で過去最大だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、顧客の外出自粛や店舗の臨時休業などが響いた。4月上旬の売上高は同65%減で「1カ月間の売上高の減少幅はさらに広がる可能性がある」(百貨店協会)としており、下落率の過去最大を更新しそうだ。

3月の売上高を商品別で見ると衣料品が39.9%減と大幅に減少した。卒業式や入学式が中止となる学校が増えフォーマル服などの販売が振るわなかった。化粧品も41.2%減だった。感染予防のため直接顧客の肌に触れてメークなどを施す販売手法が中止となったほか、インバウンド(訪日外国人客)の減少もあり大幅減となった。食料品も減少したが、生鮮食品が13.2%など全体で23.9%とほかの商材より落ち込み幅は小さかった。

地区別では、東京地区の売り上げ(既存店ベース)も34.6%減と6カ月連続で減少しこちらも過去最大の下落率だった。主要10都市全体では36.2%減だった。札幌が46.1%減、大阪が42.2%減と落ち込みが大きかった。10都市以外の地区は26.3%減だった。

訪日客向けの免税売上高は85.7%減の47億円と2カ月連続で前年を下回った。新型コロナの感染拡大の影響で訪日外国人客が大幅に減少し、客数も93.4%減だった。前月の68.3%減に続き、2カ月連続で大幅減となった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/4/24 15:46
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL24HE9_U0A420C2000000/