水島宏明 | 上智大学教授・元日本テレビ「NNNドキュメント」ディレクター
4/15(水) 10:56

 新型コロナから私たちを守るために働いている人たちがいる。
 医師や看護師などの医療従事者や保健所、厚生労働省や各自治体で病床の確保に努める人たち。
 加えて、私たちが続ける三密を避ける生活を支える人たち。
 「テレワーク」で職場から離れて働くことを余儀なくされ、頼りがちな宅配便やデリバリー・サービス。
 それを配達をする人。
 公共バスを運転する人。
 駅のエスカレーターの手すりを拭いてくれる人。
 公共トイレを掃除してくれる人。
 スーパーやコンビニでレジを打つ人。

 それらの人たちがいまこう呼ばれている。
エッセンシャル・ワーカー(Essenntial workers)

 考えてみれば私たちの回りにはエッセンシャル・ワーカーが数多く存在する。

 4月14日(火)NHKのニュース番組『ニュースウォッチ9』が特集した。
「患者の治療にあたる医師や看護師、スーパーのレジ係、公共交通機関の職員、どれも私たちの社会を支える必要不可欠な仕事でこうした仕事を担う人たちを海外では『エッセンシャル・ワーカー』と呼びます」

「必死な思いで社会を支える、そのエッセンシャル・ワーカーの間でいま感染したり、死亡したりする人が相次いでいます」

 特集ではフランスのマクロン大統領がこうした人たちの職業を挙げて感謝の言葉を述べている映像を放送した。
(仏マクロン大統領)
「農家、教職員、トラック運転手、配送業者、電気工、レジ係、ごみ収集員、警備員、清掃員、公務員。
みな社会生活が続くことを可能にしてくれた」

 4月13日夜、マクロン大統領は国民向けのテレビ演説の冒頭で、社会を支えるエッセンシャル・ワーカーの名前を列挙して感謝の言葉を述べた。
(仏マクロン大統領)
「私たちは努力を続けなくてはならない。
規則を尊重すれば、より多くの命が救われる」

 こう呼びかけて外出制限を来月11日まで延長すると発表した。
 WHOも13日、外出制限の措置について解除は慎重に判断すべきだと警鐘を鳴らした。
(WHO・テドロス事務局長)
「新型コロナの感染はとても早いスピードで拡大するが縮小するペースはもっとかなり遅い」
「感染拡大防止の措置の解除は
ゆっくり実施しなければならない」

 外出制限が長引く一方、宅配業などで働き、社会や市民生活を支えているエッセンシャル・ワーカーは日々現場に出て「感染のリスク」にさらされている。
 アメリカのミシガン州でバスの運転手として働いていたジェイソン・ハーグローブさん。
 NHKではアメリカABCニュースの独占映像を使ってハーグローブさんについて紹介した。
 SNSで感染への恐怖を訴えていた。冒頭の画像はそのときのものだ。
(ジェイソン・ハーグローブさんがFacebookに投稿した動画)
「(乗客の中には)バスの車内で口を覆わずに何度もせきをする人もいる。
(新型コロナが)世界で流行していると知りながら
それを気にしない人もいると分かった」

 動画を探してみると筆者も8分半ぐらいの長さの彼の語りを見ることができた。
ハーグローブさんがFacebookに投稿した動画
 ハーグローブさんは頭に手を置いて「いかにも困った」という表情で話している。
 善良そうな人柄が動画からでも伝わってくる。

 ショッキングだったのはこの後だ。






動画を投稿した11日後に彼は死亡した
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/byline/mizushimahiroaki/20200415-00173386/