【広州=比奈田悠佑】中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は13日、2020年1〜3月期業績で純利益が前年同期比で最大約9割減ったようだと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で、自動車の販売が振るわなかった。感染症の世界的な流行でスマートフォン関連など他の事業も見通しがつきにくくなっている。

同社は20年1〜3月期の純利益は前年同期比約8〜9割減の5千万〜1億5千万元(約22億5千万円)になったようだと明らかにした。正式な決算データは4月下旬に発表する。

中国では新型コロナの流行で自動車販売が打撃を受けている。中国汽車工業協会によると、新車販売台数は2月に約8割減と過去最大の下落幅を記録した。3月も4割強の減少と苦境が続いている。

同社にとって自動車に次ぐ売り上げ規模であるスマホの部品生産と組み立て事業も、外部環境が悪化している。これまでの中国国内の消費鈍化に加え、新型コロナのパンデミック(世界的流行)により海外でもスマホ需要の減退が予想されるためだ。米調査会社ストラテジー・アナリティクスは20年の世界のスマホ出荷台数が10%減るとの見通しを示している。

2020/4/14 15:07
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58028020U0A410C2FFE000/