厚生労働省は30日、新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、世帯ごとの所得状況などを調べる基幹統計「国民生活基礎調査」を2020年は中止すると発表した。調査業務は各地の保健所が担当している。新型コロナへの対応が最優先であることや、調査対象の世帯を訪問する際に長時間接触するのは好ましくないことから中止する。

30日に総務省の統計委員会から了承を得た。国民生活基礎調査は4月中旬ごろから5万5千世帯を対象に訪問を始める計画だった。担当者が世帯を訪問して記入用紙を配布し、後日回収する予定だった。郵送調査への変更や時期の延期は困難だという。

国民生活基礎調査は1986年から3年ごとに大規模な調査を実施し、その間の各年で簡易調査を実施している。20年は簡易調査にあたる。

2020/3/30 12:41
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57390990Q0A330C2EE8000/