【ニューヨーク=大島有美子】18日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均は前日比1338ドル46セント(6.3%)安の1万9898ドル92セントで取引を終えた。2万ドルを下回ったのは2017年2月以来、3年1カ月ぶりとなる。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界景気の落ち込みが避けられないとの見方が広がった。投資家がリスク回避に動いている。

ダウ平均はトランプ米大統領が就任した17年1月20日の終値(1万9827ドル)も一時割り込み、就任来の上げ幅をほぼ消失した。トランプ氏は政権の成果として株高を誇示してきただけに、大統領選前の株安は痛手となる。米政権や米連邦準備理事会(FRB)は政策の総動員で、新型コロナ拡大による経済への打撃を最小限にとどめようとしているが、金融市場の不安を鎮められていない。

ダウ平均は取引開始直後に1300ドル超下げた。米東部時間の午前中は下げ幅をいったん縮めたが、昼にかけて再び値下がりが加速した。午後1時前には多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の下落率が7%を超え、全ての株式売買を15分間中断する「サーキットブレーカー」が発動された。現行制度下での発動は4回目。売買停止措置の解除後にさらに売りが進み、ダウ平均は一時1万9000ドルを割り込んだ。

ほぼ全面安となる中で、個別株では特に景気動向を敏感に反映するとされる金融株が売られた。JPモルガン・チェースは11%安、バンク・オブ・アメリカは5%安で終えた。エネルギーも売りが広がり、エクソン・モービルが10%安だった。資金繰り懸念が高まっている航空機のボーイング株は18%安で終えた。
2020/3/19 5:01 (2020/3/19 6:28更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56976840Z10C20A3000000/