10日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反発し、前日比168円36銭(0.85%)高の1万9867円12銭で終えた。朝方は売りが先行したが各国の経済政策への期待や円安進行、原油価格の下げ止まりを背景に次第に買いが優勢となった。

ロイター通信などが「トランプ米大統領が給与減税などの経済対策を検討する」と報道し、次第に短期筋などによる先物の買い戻しが強まった。昼ごろには、安倍晋三首相が「各国の当局や日銀とも連携を密にしながら、必要とあれば主要7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)の合意に沿って、適切に対応していく」と発言し、政府の経済対策への期待が高まった。

前日の日経平均の大幅安を主導した原油先物が下げ渋り、円相場が一時1ドル=105円ちょうどまで下げたことや、米ダウ先物が前日比800ドルを超える上昇となったことも日経平均を押し上げた。

新型コロナウイルスの感染拡大への懸念などから、朝方には一時、前日比800円を超える下げ幅となり、心理的節目となる1万9000円を取引時間中として1年3カ月ぶりに下回る場面もあった。日中値幅(高値と安値の差)は1078円58銭と約2年1カ月ぶりの大きさとなった。

JPX日経インデックス400は3営業日ぶり反発。終値は前日比152.61ポイント(1.22%)高の1万2676.96銭だった。東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発し、17.71ポイント(1.28%)高の1406.68で終えた。

東証1部の売買代金は概算で3兆8120億円。売買高は25億7037万株だった。

東証1部の値上がり銘柄数は1645銘柄だった。値下がりは477、変わらずは42銘柄だった。

野村、三菱地所、東ガスが高い。T&D、東エレクも買われた。国際石開帝石、アサヒ、住友商が安い。コマツ、旭化成も売られた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/3/10 15:42
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_Q0A310C2000000/