【シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コムは5日、本社を置く米ワシントン州シアトル市周辺で従業員らに在宅勤務を指示したと明らかにした。同市周辺では新型コロナウイルスの感染例が増えており、3日には同社の従業員からも初の陽性反応が確認されていた。同州に本社を置く米マイクロソフトも同様の取り組みを始めており、企業活動への影響が広がっている。

シアトル市を含むワシントン州キング郡では5日午前までに新型コロナに関連する9人の死亡が確認されており、全米で最も多い。同郡当局は4日に開いた記者会見で立地企業に対し、大人数での集まりを延期したり、従業員らの在宅勤務を認めたりするよう促していた。

アマゾンは本社を置くシアトル市と、その周辺のベルビュー市のオフィスに勤務する従業員らに在宅勤務するよう求めており、米メディアは対象者数は5万人超に上ると伝えている。アマゾンの広報担当者は「可能であれば月末まで自宅で仕事をするよう従業員に勧めている」とコメントした。

キング郡レッドモンド市に本社を置くマイクロソフトも5日から同郡周辺のオフィスで働く従業員らに25日まで在宅勤務をするよう促している。対象者は約5万4000人に上るとみられる。米IT(情報技術)大手では米カリフォルニア州サンフランシスコ市に本社を置くツイッターが、世界各地で働く全ての従業員を原則として在宅勤務とする措置を2日に始めていた。
2020/3/6 5:09
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56464130W0A300C2000000/