【ニューヨーク=中山修志】米エネルギー情報局(EIA)は18日、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大などを理由に、2020年の世界の石油需要が従来予想から約0.4%減少するとの見通しを示した。中国の渡航制限や工場の生産停止に伴って燃料需要が減少し、6月ごろまで影響が続くと指摘した。

EIAが短期エネルギー見通しを更新し、20年の世界の石油需要を日量平均1億170万バレルと、1月時点の見通しから約37万バレル下方修正した。新型肺炎の影響に加え、北半球の暖冬による暖房燃料の需要減も反映した。

中国では新型肺炎による工場の生産停止や航空便のキャンセルにより、2〜4月の石油需要が約3%減少すると予想。4月から需要が段階的に回復するものの、6月ごろまで影響が残ると指摘した。この結果、20年の中国の石油需要が日量平均19万バレル減少し、19年比3%増の1489万バレルにとどまると推計した。

中国以外のアジアでも石油需要が同約10万バレル減少するとみている。EIAは新型肺炎の影響について「03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の状況を参考にした」と説明している。

2020/2/19 9:59
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55803300Z10C20A2EAF000/