【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは17日、1〜3月期に630億〜670億ドル(約6兆9千億〜7兆4千億円)としていた売上高予想について「達成できない見込みだ」と発表した。新型肺炎の感染拡大や対策強化により、スマートフォン「iPhone」の生産に影響が及んでいるため。アップルは多くの部品供給企業を抱えており、影響が広がる懸念もある。

従来の1〜3月期の売上高予想は前年同期比で9%〜15%増の水準だった。アップルは収益予想が未達となる理由として、(1)iPhoneの供給が一時的に制限される、(2)中国で製品需要が影響を受けている――の2点を挙げた。アップルは新型肺炎の影響の全容が見通せないことから、新たな業績予想の公表は控えた。今後も世界でこうした業績予想の見直しが相次ぐ可能性がある。

アップルによれば、iPhoneの生産委託工場はすべて湖北省以外にあり、操業は再開しているという。ただ「我々の予想よりも、ゆっくりと操業を再開している」と指摘。これにより、世界各地に出荷するiPhoneで供給不足が起こり「世界の収益に一時的に影響する」という。

中国の多くの店舗が閉鎖したり、営業時間を短縮したりしていることも響く。アップルは「中国以外の地域では、製品やサービスへの需要は期待に添ったものになっている」と説明した。
2020/2/18 6:49
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55752450Y0A210C2I00000/