【ニューヨーク=大島有美子】全米経済研究所(NBER)が発表した論文によると、人生における幸福感が最も薄れるのは先進国で47.2歳、発展途上国で48.2歳となった。すべての国で幸福感の度合いは中年層が最も低い「U字カーブ」を描き、中年が最も強く憂鬱を感じる傾向を示すことが分かった。

論文は米ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授がまとめた。世界132カ国における幸福感と年齢の関係を調べた。中年層の幸福感が小さいのは、仕事の負担の重さや健康面での不安などが背景にあるとみられる。

ブランチフラワー氏は「賃金の多寡や寿命の長さとは無関係に、幸福度はU字カーブを描く」と指摘する。中年層を過ぎて高齢層に入ると幸福度は徐々に回復する。研究によると、既婚者は単身者や離婚経験者と比べ、幸福感が大きいという。
2020/1/15 3:15
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54397580V10C20A1000000/