日本国内でのIR・統合型リゾート施設への参入を目指していた中国企業の関係者が海外から現金を不正に持ち込んだとされる事件に関連して、東京地検特捜部は自民党の秋元司衆議院議員の東京・江東区にある地元事務所に続いて衆議院第一議員会館にある秋元議員の事務所の捜索に乗り出しました。特捜部は中国企業と秋元議員との関わりや不透明な資金の流れについて実態解明を進めるものとみられます。

関係先として捜索を受けているのは▽東京・千代田区の衆議院第一議員会館にある自民党の秋元司衆議院議員の事務所や▽東京・江東区にある秋元議員の地元事務所です。

東京地検特捜部は、日本国内でのカジノを含むIR・統合型リゾート施設への参入を目指していた中国企業の関係者が海外から数百万円の現金を国内に不正に持ち込んだ疑いがあるとして外国為替法違反の疑いで捜査を進めていて、これまでに関係先として秋元議員の元政策秘書らの自宅などを捜索していました。

秋元議員は去年10月まで国土交通省と内閣府の副大臣を務めIRなどを担当していましたが、副大臣に就任する直前のおととし8月には那覇市で開かれたIR関係のシンポジウムでこの中国企業の経営トップとともに基調講演を行い、IR関連の法制度や今後の展望などを語っていました。

特捜部はすでに秋元議員本人からも任意で事情を聴いていて、19日の捜索で押収した資料の分析するなどして不透明な資金の流れや中国企業と秋元議員との関わりについて実態解明を進めるものとみられます。

秋元議員は19日午後、自身のツイッターで「大変ご心配おかけしてすみません。ただ、私は、不正なことには全く関与しておりません。何があろうとも主張して参ります」とコメントしました。
官房長官「答えるのは差し控えたい」
菅官房長官は午前の記者会見で、秋元議員の事務所が捜索を受けていることについて「報道では、IRについてということだが、関連があるか否かも含めて、捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、答えるのは差し控えたい」と述べました。
議員会館の捜索 これまでにも
東京地検特捜部は、これまでも国会議員が関係する事件の捜査のため、議員会館の事務所の捜索を行ってきました。

平成25年には、大手医療法人「徳洲会」グループの幹部らが、衆議院選挙で当時の自民党の徳田毅議員を応援するため違法な選挙運動を行った公職選挙法違反事件の捜査で、衆議院第一議員会館にある事務所を捜索しました。

平成22年には、当時の民主党の幹事長だった小沢一郎氏の資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件の捜査で、秘書として会計事務を担当していた当時の石川知裕衆議院議員の事務所を捜索しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191219/k10012220541000.html