プリズムってあるでしょ?
カメラのプリズムじゃなくて分光する方のプリズム。

光ってレンズ面から離れれば離れるほど色が分解していくんだわ
で、その中でも一番修正しにくい軸上色収差を減らすにはレンズ最後面と露光面、つまりセンサーの距離を詰めなきゃいけないわけ。
開閉するミラーがあると、そこには絶対にレンズを入れられない。距離詰められないとはつまり、一定以上の収差はどう頑張っても除去不可能。
画質向上にバックフォーカス詰めるにはミラーを除去するのが最短で最適なわけ。

副次効果で広角側の設計がしやすくなる効果があるけど、これはバックフォーカス分光をまっすぐに誘導する手間がなくなるから。
一眼レフ用の広角レンズはひろーい画角から光を曲げて曲げて、筒のようなミラーのあるトンネルを抜けてセンサーまで持ってくる。
光は曲げるほど色ズレが起こりやすくなるから、それをゆっくり曲げたりズレた色を修正するのに、たくさんの、高い高いエレメントと乱反射対策のコーティングがたくさん必要になる
とうぜん、この広角レンズは一本で40万も50万もしちゃう。
でもそれしか選択肢が無かったし、必要になったから儲かった。限りなく寡占だけどそれがまかり通って、許された時代。

そして、昔はミラーレスにしても、どっちにしろ斜めに光を入れてもセンサーは受光してくれなかったから光は垂直に近くいれなきゃならなくて、手間は大差なかったわけ。
レフと手間が変わらない時代があったわけね。(シグマsdとかペンタK-01とか)

今はセンサー性能が遥かに良くなって斜めに光をたくさん入れてもしっかりセンサーのフォトダイオードが光を受け取ってくれる。
わざわざ垂直に光を入れる手間が大きく減ったからこそ、広角レンズを短く軽く、F値を大きく画質よく作れるようになったわけ。
望遠はというと、広角側より曲げる角度が遥かに緩いし、口金側のフレアカッターで、センサーからの急角度反射光の対策ができる。

ミラーレス普及と、今まで実現しなかった理由はセンサーとレンズ両面でレフの限界を突破できるようになったからだね。
昔のCCDセンサーのまま時代が停滞してたら今もレフ機が天下だったかもしれないよ。

レンズは像が反転してセンサー面に結像するからちょうど絞りを中心に砂時計のような光の道を作るよ
Eマウントがマウント内径よりセンサーが大きくてもちゃんと映る理由だね。
最初期は理論に技術が追い付いてなくて色がダメダメだったけど、今じゃレンズが数十本にハイクラスカメラが二桁。
もしニコンがたくさん儲けた2010年ごろにきちんとセンサー技術に研究開発にリソース割いてたら今あるミラーレスの現状と未来にたどり着いてた筈だね。