>>2 から続く

□半導体市場は4,000億ドル強、メモリ市場は1,000億ドル強と予測
 ここからは成長率でなく、金額の予測値を示す。WSTSが2019年6月4日に発表した半導体市場予測から見ていこう。

 2019年の世界半導体市場は前年比12.1%減の4,120億8,600万ドルと予測した。地域別ではアジア太平洋がもっとも大きく、同9.6%減の2,556億6,600万ドルである。ついで米国が同23.6%減の787億4,100万ドル、その次が欧州で同3.1%減の416億900万ドル、さらに日本が同9.7%減の360億6,900万ドルとなる。円ベースの日本市場は前年比10.0%減の3兆9,733億円と予測する。

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世界半導体市場の推移(2001年〜2019年)。WSTSの発表資料から筆者がまとめたもの

 主要な製品分野別ではメモリがもっとも大きく、前年比30.6%減の1,095億9,000万ドルとなる。ついでロジックが同4.0%減の1,049億1,200万ドル、それからマイクロが同1.1%減の665億1,900万ドル、アナログが同5.0%減の558億4,600万ドルと続く。

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主要製品別の金額推移(1999年〜2019年)。WSTSの発表資料から筆者がまとめたもの
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WSTSが2019年6月4日に発表した2018年〜2020年の半導体市場推移。2018年は実績、2019年と2020年は予測

 市場調査会社のGartnerは2019年7月22日の公表値で、2019年の世界半導体市場は4,290億ドルになると予測した。2018年の4,750億ドルから、9.6%のマイナスである。

 市場調査会社のIC Insightsは、2019年7月31日に製品別の金額予測を発表している。WSTSの分類による33品目のなかで、もっとも金額が大きいのはDRAMである。前年比37.6%減の620億ドルになると予測した。ついで金額が大きいのはPC/サーバー向けマイクロプロセッサで、同2.5%減の524億9,600万ドルと予測した。3番目はNANDフラッシュメモリで、同31.7%減の406億ドルとなる。4番目はコンピュータおよび周辺機器向けの特定用途向けICである。金額は同7.0%減の253億8,300万ドルと予測した。5番目は携帯電話端末向けのアプリケーションプロセッサで、同6.0%減の222億1,200万ドルとなる。

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IC品目別の最大金額トップ5と最大数量トップ5。いずれも2019年の予測値。市場調査会社のIC Insightsが2019年7月31日に発表したもの

 半導体市場が回復する兆しが見えてきたとはいうものの、まだその兆候は強くない。ここが回復の底となるのか、あるいはもう一段の底があるのか。行方を慎重に見守る必要がある。

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