郵便受け最大手のナスタ(東京・港)は、宅配便を受取人が指定した場所に置く「置き配」に関する消費者の意識調査の結果をまとめた。再配達を減らす突破口として注目を集める一方、約7割がサービス利用に不安を感じていることが明らかになった。

調査は6月、インターネット通販を利用する20代以上の男女1000人にネット上で行った。置き配に対して不安を感じると答えたのは74%で、荷物が玄関先に置かれることで盗まれたり、配送伝票の個人情報を見られたりすることへの不安が目立った。防犯対策が普及の鍵を握りそうだ。

一方で置き配への期待もにじんだ。普及してほしいと回答した人は77%で、68%は防犯性が高ければ使ってみたいと答えた。荷物の置き場所として指定したいのは宅配ボックス(58%)が首位。玄関先(38%)や郵便受け(26%)、物置(8%)と続いた。

物流分野の人手不足が深刻化するなか、置き配は再配達を減らす手段として注目が高まっている。自社の物流網を持つ楽天やアマゾンジャパン(東京・目黒)は、首都圏など一部地域で置き配を本格導入している。経済産業省と国土交通省は3月、課題を話し合う検討会を立ち上げた。
2019/9/4 11:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49351860T00C19A9TJ1000/