結局の所、キヤノンは物量で攻めてくる相手に対して、大艦巨砲主義で対抗するしかない。
たとえば煉瓦みたいに重く明るいレンズ、レンズを支えるに相応しい重くてごついミラーレス。
プランを実行すると破綻するのを除けば、別に間違いではない。
高価格帯に選択肢が増えるのは、消費者にはグッドイベント。


まず対抗手段が限定される原因。
撒き餌レンズと撒き餌カメラだけいくら売れても、美味しくもないし、台数稼ぎ以外の利益がしょっぱい。
キヤノンのビジネスモデルでは、そこから利ざやレンズと、利ざやカメラを売る必要がある。
狭いラインで特殊カメラ作るにも、利ざやカメラが必要。

別ジャンルの競合と、完全に差別化しきれない、安レンズと安カメラは必然、放置がちになる。
銭儲けにならなきゃ、いくらテコ入れすると声出そうと、本腰には程遠いリソースしか捻り出せない。
正常に金を生まないのに、そこで本格的に水準の底上げ図っても、根本的な解決じゃないから、多少出血が減るだけ。

小型軽量大いに結構、でも、“普通の安価はできない”。
費用削減努力やった上に、さらに安価にするなら、光学性能犠牲にしてでも、工場の歩留まり上げに電子補正へ依存したコストカット型にする他ない。
コスト圧縮でないなら、販促費が持ち出し。

ダラダラと撒き餌を売る位ならいっそ、半端な軽・中間サイズは全部捨てて、リソースを中量級まで高級コンデジに振り直した方がマシ。
抱き合わせしか売れないんであれば、売れ筋レンズの種類だけ兄弟カメラ作りゃいい。
キットでしかカメラとレンズが売れない現状そのものが変えられなくても、足掻く程度にはなる。
でも、こんなとこまでILCと心中するつもりじゃなきゃ、とっくに手札切ってる筈だから望み薄。

キヤノンが長年かけて作った、既存の販売システム再編はおそらく無理。


迷いなくできるのは総旗艦・旗艦級カメラと周辺だけ。
利ざやカメラは工場自動化で、投資回収こそ長いが利幅が伸ばせるし、開発加速する動機づけにも十分。