【ソウル=山田健一】韓国サムスン電子が31日発表した2019年4〜6月期連結決算は、営業利益が6兆6千億ウォン(約6千億円)と前年同期に比べ56%減った。主力の半導体部門の営業利益が71%減少し、16年7〜9月期以来、約3年ぶりの低水準に落ち込んだことが響いた。自社製スマートフォンを中心とするIT&モバイル部門も42%減益とふるわなかった。

全社売上高は4%減の56兆ウォンだった。サムスンはスマホなどにデータを記憶する半導体メモリーと「ギャラクシー」ブランドで販売する自社製スマホが2本柱で、それぞれ18年の世界シェアは1位。だが、両事業の不調で18年10〜12月期に四半期として約2年ぶりに減益となって以来、2本柱が揺らぐ構図が続く。

半導体部門の営業利益は3兆4千億ウォンにとどまり、7割もの大幅減益は初めてとみられる。稼ぎ頭である一時記憶用のDRAMの価格下落が響いた。東芝メモリなどと競合する電源を消してもデータの消えないNAND型フラッシュメモリー単体の損益は赤字に転落したもようだ。7〜9月期は、日本政府による対韓輸出規制の拡大が重荷になる可能性もある。

IT&モバイル部門の営業利益は1兆6千億ウォン弱だった。今春に発売した旗艦機種「ギャラクシーS10」が苦戦した。一方で、米アップルなどに有機ELパネルを供給するディスプレー部門の営業利益は、前年同期の5倍の7千億ウォン強。アップルとの供給契約をめぐって一過性の増益要因があった。
2019/7/31 10:19
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48001360R30C19A7EAF000/