>>1 から続く

 (一番安い)moto g7 powerを手に取っていただければ分かると思いますが、これも非常に堅牢(けんろう)性があります。保証範囲内の故障率も1%に満たない。質という意味では非常にいいもので、安心していただけているのだと思います。セキュリティアップデートも迅速ですが、他のメーカーは時間がかかることが多いですよね。

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2万円台と安価ながらも5000mAhの大容量バッテリーを搭載したmoto g7 power

 また、ロードサイドや駅近辺の家電量販店はもちろん、MVNOの開拓も進めています。それぞれのMVNOを見ていただければ分かると思いますが、各社が3機種中、3つないしは2つを販売しています。実感として、モトローラが浸透してきていると感じています。

―― どのぐらいのシェアを取りたいといった目標はあるのでしょうか。

アダモポウロス氏 具体的な数字については差し控えたいのですが、ここ3年ぐらいは、堅調に伸びてきています。今年はさらにやれると思っています。日本でのビジネスはマラソンのようなもので、短距離走ではありません。走り続ける体力を維持することが大事です。短期にシェアを取り、そのあとパッといなくなるようなことは考えていません。

□ライセンス料を払ってまでFeliCaを載せるつもりはない
―― MVNOの伸びが鈍化していますが、何か影響はありますか。

アダモポウロス氏 過去半年ぐらいを見てみると、季節要因はありますが、SIMフリースマートフォンの市場は、増えているわけでもなければ、減っているわけでもありません。さまざまな販売チャネルの方々とお話すると、2万円から4万円ぐらいまでの端末が売れ筋という認識です。キャリアの分離プランもある中、今後は、端末の“素の値段”がより見えやすくなってきますが、この価格帯のSIMフリー端末が、さらに求められるようになってくるでしょう。

―― この価格帯のスマートフォンを、大手キャリアから発売するというお考えはありますか。

アダモポウロス氏 キャリアのお客さまとは、常にお話を続けています。今週も、2社を訪問したばかりです。お客さまが売りやすいものを持っていかなければならないという認識で、おっしゃったように、(今後は)中価格帯の端末を提案していくことが大事になります。それが、もっと受け入れられるようになるのではないかと考えています。

―― 日本の大手キャリアから出ている端末は、ミドルレンジモデルでもFeliCaに対応したものが多くあります。SIMフリー市場を見ても、シェアを伸ばしているシャープがFeliCaに対応していますが、モトローラとしてはいかがでしょうか。

アダモポウロス氏 シャープが強いのは、国産ブランドだからであって、FeliCaよりもそこが大きいと考えています。ユーザーのロイヤリティー(忠誠心)があるからです。一方で、FeliCaを実際に使っている人は、2割ぐらいだと思います。以前、moto modsでやろうとしたとき、検討はしてみたのですが、ライセンス代がかなりの負担になってしまうことが分かりました。NFCだと2ドル、3ドル程度で済みますが、FeliCaだと1台1万円の上乗せになってしまうんです。そこまでして、どうしてもFeliCaを乗せようとは考えていません。使わない8割の人にとっては、お金がかかりすぎるのはよくないですからね。

―― 逆に言えば、コストが下がれば可能ということでしょうか。

アダモポウロス氏 そうなってほしいと願っています。NFC並みにコストが下がれば、現実的になります。付け加えると、モトローラも過去にはキャリアモデルでFeliCaを搭載したこともあり、要求されることの概略は分かっていて、その経験もあります。

□SIMフリーのユーザーは“値ごろ感”を求めている
―― moto g7シリーズとほぼ同タイミングで、海外で「moto z4」が発表されました。こちらについてはいかがですか。

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海外で販売されている「moto z4」

アダモポウロス氏 現時点では「moto z4 play」がまだまだ売れているので、導入するかどうかはポートフォリオを見ながら検討していきます。

>>3 へ続く