三菱重工業はカナダ・ボンバルディアから小型ジェット旅客機「CRJ」事業を取得する交渉に入った。機体のメンテナンスなどサービス部門を中心に譲り受けたい考え。三菱重工は傘下の三菱航空機で「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の開発を進めており、ボンバルディアの顧客基盤などを生かす考えだ。

小型機CRJはボンバルディアの主力小型機で客席数が50〜100席クラス。4機種あり約1200機が運航している。三菱重工は自社開発のMRJで2020年半ばの納入を目指している。メンテナンスなどボンバルディアの事業を取得すれば、世界の航空各社へMRJを販売するためのネットワークを強化できるとみている。

ボンバルディアは100〜150席の中型機「Cシリーズ」の開発負担増などを背景に経営不振に陥り、同事業を欧州エアバスに事実上、売却した。旅客機事業を整理し、鉄道事業などに経営資源を集中する方針だ。

中小型機市場をめぐっては格安航空会社(LCC)の増加などで需要が増す一方で、開発負担が増加しており、ブラジルのエンブラエルの旅客機事業は米ボーイングの傘下に入る。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45725330V00C19A6TJ1000/