韓国航空大手のアシアナ航空と大韓航空は15日、2019年1〜3月期連結決算を発表した。燃料価格上昇などを受け、両社とも前年同期に比べ減益となった。韓国国土交通省は3月に新たに3社の格安航空会社(LCC)参入を認めた。搭乗率の高い日本路線の競争が激化し、アシアナと大韓にとって厳しい経営環境が続くとの見方がある。

韓国2位のアシアナは売上高が微増の1兆7232億ウォン(約1600億円)、営業利益が89%減の72億ウォン。同社は「旅客便は中国路線が堅調だったが、世界景気の減速に伴い貨物便がふるわなかった」と説明した。

韓国最大手の大韓航空は売上高が1%増の3兆1389億ウォン、営業利益が16%減の1405億ウォンだった。「大型航空機の整備費用がかさんだ」(同社)という。

韓国の航空大手は本業以外でも韓国社会と市場の関心を集める。アシアナ航空を中心とする財閥「錦湖(クムホ)アシアナグループ」は財務悪化を理由に同航空の売却を表明した。同航空は5月7日に国際線ファーストクラスの運用を9月から中断するなどコスト削減を急いでいる。

一方、大韓航空は4月下旬、趙源泰(チョ・ウォンテ)社長が大韓航空を中心とする財閥「韓進グループ」を率いる会長に就いたと発表。同氏は韓国教育省から学生時代の不正編入を認定されており、経営手腕を不安視する声が出ている
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