電通は8日、公序良俗に反しないインターネットサイトのみに音声広告を配信するサービスを始めたと発表した。広告主は電通のプラットフォーム(基盤)経由で適切なサイトに広告を配信できる。海賊版サイトやアダルトサイトなどに広告が配信され、広告主のブランドイメージを損ねるのを防ぐ。不正に広告費をだまし取る「アドフラウド(広告詐欺)」への対策にもつなげる。

広告配信プラットフォーム「プレミアム・オーディオ広告」は、ネット広告子会社の電通デジタルとカルタホールディングスと組んで運営する。広告はコンテンツの権利処理が適切に行われていると判断したサイトのみに広告を配信する。まず、パソコンやスマートフォンで聴取できる「radiko(ラジコ)」や音楽配信サービスのスポティファイ向けに配信する。

同サービスでは利用者がサイトにログインしていることを確認したうえで広告を配信する。自動プログラムの「ボット」が大量にサイトにアクセスし、広告費をだまし取る広告詐欺のリスクを減らせるという。

国内のインターネット広告の市場規模は2019年に地上波テレビを初めて逆転する見通しだ。一方で配信技術が高度化するのに伴い、配信経路がブラックボックス化。広告詐欺やブランド毀損などの問題が生じている。

2019/5/8 12:31
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44512600Y9A500C1X30000/