【ソウル=山田健一】韓国LG電子は25日、スマートフォン(スマホ)の国内生産を停止すると発表した。現在、韓国で手がけている高価格スマホの生産機能を年内をメドにベトナム北部のハイフォン事業所に移管する。従業員の賃金が韓国より安いベトナムを主力拠点とし、スマホ事業の赤字からの脱却を目指す。

スマホ生産をやめるのは、ソウル郊外の平沢(ピョンテク)事業所(年産能力500万台)。移管に伴いハイフォン事業所の年産能力は1100万台に増える。LGの生産拠点はベトナムのほか、中国、インド、ブラジルの4カ国になる。

LGの18年のスマホの世界販売台数は約4千万台で、世界シェアは3%弱とみられる。スマホ事業の営業損益は18年10〜12月まで四半期ベースで4年近く赤字が続いている。

韓国メディアによると、韓国とベトナムは最低賃金に約8倍の差があり、一定の損益改善効果が見込める。平沢事業所に勤務する従業員約750人は白物家電を手がける国内の別の事業所に配置転換する。
2019/4/25 14:45
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44182820V20C19A4FF1000/