経済協力開発機構(OECD)は15日、日本の経済対策への提言をまとめた対日経済審査報告書を公表した。日本の財政健全化について「包括的な計画をたてる必要がある」と求め、施策は「消費増税を軸に進めるべきだ」との考えを示した。歳出を抑えるために、医療制度の改革を進めることも要求した。

2019年の日本の経済成長率は0.8%、20年は0.7%と予測し、先行きは鈍化するとの見通しを示した。今年10月に予定される消費増税については「財政出動のおかげで、2014年の増税時より経済への影響は限られそうだ」と指摘した。日本経済は「中国の内需の減速に対して脆弱だ」とした。

報告書はグリア事務総長の来日に合わせて、毎年公表している。高齢化が一段と進む日本の未来を見据え「労働生産性の底上げが労働力の落ち込みを補える」と強調し、企業の内部留保を賃上げや設備投資にまわすように改めて提案した。
2019/4/15 10:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43726640V10C19A4EAF000/