10日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比115円02銭(0.53%)安の2万1687円57銭で終えた。米欧の通商摩擦への警戒感や国内の経済統計の弱さが投資家心理を冷やし、相場を下押しした。ただ、下値では個人投資家などの買いが入り、一段と下値を探る展開とはならなかった。朝方には下げ幅が200円を超える場面もあったが、次第に下げ渋りきょうの高値で引けた。

米国と欧州連合(EU)の通商問題を巡る新たな対立が浮上し、自動車や電気機器株に売りが出た。米国のEUに対する強気な姿勢が「これから本格化する日米物品貿易協定(TAG)交渉の難航を想起させる」との警戒感が、主力の輸出関連株の売りを誘った。

内閣府が寄り付き前に発表した2月の機械受注の弱さが、機械株の重荷となった。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は前月比で1.8%の増加で、QUICKがまとめた市場予想の中央値(2.7%増)を下回った。設備投資の先送り姿勢が統計を通じて確認され、安川電やオークマなどに売りが出た。

ただ、一段と下値を探る動きは限られた。日経平均は午前に1週間ぶりに2万1600円を割り、下値では値ごろ感に着目した個人投資家などが押し目買いを入れた。中国・上海株式相場が落ち着いた動きだったことや、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ観測も相場を支えた。

JPX日経インデックス400は3日続落した。終値は前日比101.75ポイント(0.71%)安の1万4296.92だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、11.10ポイント(0.69%)安の1607.66で終えた。

東証1部の売買代金は概算で1兆9674億円と、4営業日連続で節目の2兆円を下回った。4日連続の2兆円割れは今年の1月21〜24日以来。売買高は11億2275万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1572と、全体の約7割を占めた。値上がりは485、変わらずは83だった。

京セラやTDK、日東電が下落した。NTTドコモとKDDIが安い。マツダやホンダ、トヨタなど自動車株が軟調だった。一方、ファストリとソフトバンクグループ(SBG)が上昇。Jフロントと丸井Gの上げも目立った。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/4/10 15:34
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_Q9A410C1000000/